弁護士ブログ

2006.12.13更新

 大阪高等裁判所裁判官(長)が国を被告とする民事裁判で違憲判決を出した後、自殺された。
 大阪高等裁判所の部総括判事といえば、裁判官の社会では出世した裁判官である。年収もおそらく2500万円程度にはなるはずだし、来年に定年を控えていたという。
 高名な裁判官にありがちな高圧的な態度ではなく、その仕事ぶりや人間性についてはいい評判しか聞かない。しかし、自殺された。それも、自分の裁判がまだあるというのに。

 裁判官が自分が裁判長を務める裁判をほいっておいて自殺する、ということは尋常ではありえない。
 私だって、手帳にある予定を見ると、体調管理を徹底しないとこなせない量の仕事を抱えている以上、好きな酒も沢山飲むのはせいぜい正月だけだ。タバコは吸わない。
 今年1月にどうしても体調が戻らず、弁護人の仕事ができなかったときは、裁判関係者に対して大変申し訳ない気持ちになった。妻の病気のために裁判所への出頭が遅れたときは、憎き敵性証人にさえ法廷で謝罪した。
 
 また、最近、大阪の検察官が庁舎内で自殺未遂(割腹)を図ったという報道に接した。検察官は、甚大な権限を持った公務員であり、およそ自殺などとは無関係であると思っていた。

 憶測で物で言うべきではないが、一体何があったのか。法律家が辞職をせずに死を選択するのはどう考えても尋常ではない。
 何があったのだろうか。職場は、その兆候に気が付いていたのだろうか。

投稿者: ヒューマンネットワーク三森法律事務所

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