朝日新聞の夕刊を読んだ。
私が国選弁護事件でお世話になった法廷通訳者の女性の訃報記事だった。
私は、以前、オーバースティの刑事弁護をかなりこなしていたことがあった。
国選弁護事件の法廷通訳者は、まず、国選弁護人選任命令を裁判所からもらった後、法廷通訳人と連絡を取り、普通は、警察署で待ち合わせをして一緒に接見してもらうのである。
法廷通訳人は、被告人の使用する言語はもちろん、その文化にも造詣が深く、接見までの待ち時間などにいろいろとお話をすることが多い(特に、私はね)。
この女性とも子供のこととか結構話した記憶がある。警察署から最寄の駅まで歩くときに息子がかわいいと話されていた、と思う。
最後にお会いしたのは、東京地方裁判所のエレベーターの中で偶然居合わせたときだった。
私のことを覚えていただけていたことに驚きつつも、ほんの少しの間お話をした。
ひょっとしたら、そのことからご病気だったのかもしれない。私は分からなかったけど。
ご冥福をお祈りします。