弁護士ブログ

2007.02.09更新

 友人が独立しだした。まぁ、東京でも弁護士を7年やっていれば独立してもそれなりに何とかなる。
 ただ、私のように一人で独立する傾向は、東京に限っては少数派だと思う。
 私自身も、別に独立したかったわけでもなく、むしろ必要に迫られてという側面が強い。
 
 さて、一経営者として考えてみると、経費のうちの固定費は少ないに越した事はない。
 固定費の代表例は、事務所賃料と人件費だ。
 事務所賃料は、事務所の規模とか設備とか立地などに影響され、坪単価が高ければ当然にいいビルということになる。

 私の場合、固定費が少なければいいということもあり、また、大家さんの好意にも甘えて事務所のビルは結構安く借りることができた。駅から徒歩2分、隣りはりそな銀行本郷支店という分かりやすく便利な立地にあるが、ビル自身が古いのと設備がそんなに充実しているわけではない。
 だから、私の事務所が入ってるビルが「豪華なビル」というイメージは皆無である。事務所に来てもらえれば、それは納得されるはずだ。

 私の基本的な発想には、事務所の敷居を下げる、というものがある。それは事務所の雰囲気が大事だと考えている。また、固定費が高いと、必然的に依頼者にそのしわ寄せが行く。さらに、弁護士自身も売り上げ至上主義に走って、とかく無理な事件を受任することにもなりかねない。事務所の経営がおかしくなって、金銭的な問題により弁護士が懲戒され、最悪のケースでは弁護士自身が犯罪に手を染めることもある。
 
 率直に言って、弁護士の仕事は、弁護士の個性というか、弁護士のキャラクター・能力による影響がかなり大きいと認められ、その反面、ビルが豪華だとか事務員が沢山いるから、などというハード面での影響はあまりないと言える。
 弁護士業の場合、①健康な弁護士、②常識的な弁護士、③常識的な能力と感性を持った事務職員、④パソコン、FAX、本、判例集、インターネットなどの必要最低限の備品、⑤打ち合わせ室(私の事務所には待合室はない)などがあれば、いい仕事ができる。
 
 裁判官が、弁護士の事務所の大きさや豪華さで結論を左右させるような判断をするはずがないのである。

投稿者: ヒューマンネットワーク三森法律事務所

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