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2007.07.27更新

 刑事訴訟法189条2項は、「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする」として第1次捜査権限が警察官にあることを明らかにしている。
 検察官は、「必要があるとき」に捜査ができるとなっており(同法191条1項)、あくまで検察官に捜査開始の決定権がある(特捜部は、これを根拠に捜査しているのではないかな)。
 また、同法230条は犯罪被害者は告訴(犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示)をすることができる、としている。

 告訴は、捜査の端緒の一つとして、警察が捜査を開始するきっかけとなるものである。

 一般論として、金銭のからむ犯罪として被害者、被害金額、被害日時、加害者を特定して告訴のために警察署に出頭しても、即日、警察署が告訴を受理することはないような気がする。
 私には、この警察の対応は、お上意識の賜物であって、怠慢といわれても仕方が無いのではないか、と考えている。
 確かに、告訴状、証拠を持参し、直ぐにやってくれ、というのは「怠慢」ではないだろう。
 しかし、予め担当官と約束をした1週間前に告訴状を警察署に郵送し、事前に担当官が告訴状と証拠を確認する時間的余裕をあたえつつ相談に行き、その後、1年近い年月が過ぎても、何もやっていないとしか思えない進行は、極めて問題であろう。
 警察官は、「都知事選がある」「参議院選がある」などといって、公職選挙法の摘発に急がしいなどと言い訳をするが、それではいつまで経っても何もしないということになりはしないか。

 私は、いままで色々な犯罪の告訴をしてきたが、告訴一発受理ということはなかったと記憶している。だいたいは、何度か通って、ようやく受理し、その後、結構きつい捜査をしてもらい、あるケースは被告訴人を実刑にもって行き、また、あるケースは民事的な解決に満足したりした。

 そこで、今後、ある実験をすることにした。
 告訴状を内容証明郵便で送るという強制的な受理ではなくて、もっと戦略的な実験をしてみることにしたい。

投稿者: ヒューマンネットワーク三森法律事務所

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