弁護士ブログ

2007.07.26更新

 弁護士になって一番感じることは、裁判官はちゃんと夏休みを取る、ということである。
 夏季休廷、つまり、毎年7月下旬から8月下旬まで裁判官が順繰り3週間程度集中的に休みを取るので、その結果、裁判所の法廷が休みになるのだ。
 裁判官独立の原則のもと、裁判官の手持ち事件を別の裁判官が審理することは出来ないので、裁判官が休むと必然的にその裁判官の担当裁判は中断する。
 その結果、裁判の代理人である弁護士も、休みになる。

 私は、裁判官の夏季休廷制度は、とてもよい制度だと思っている。
 日本の裁判官は、ほぼ間違いなく、激務の割りに安い報酬で誠実に働いていると思う。そして、日本の裁判官に汚職の心配がないのは、世界に誇るべき事実だと思っている。
 しかし、裁判官はその激務ゆえに、どうしてもじっくりと一つの裁判に向き合う時間が少ないかもしれない。
 また、裁判官にはきちんと法律や社会制度、常識に向き合う時間が不足しているかもしれない。
 弁護士が間違えてもいいが(本当は絶対良くない)、国家意思としての紛争に関する判断を出す裁判官には、絶対に審理時間不足を理由には間違えてもうらいたくない。
 とはいっても、最近もらった判決には、どう考えても間違ってる事実認定や法解釈があって驚いたけれども(控訴したので、後日、控訴審で間違いは是正されるだおる)。

 裁判官にきちんと休養してもらい、間違いのない審理をしてもらうためにも、夏季休廷制度は有意義である。

 裁判期日が事実上入らなくなるため、7月下旬から8月下旬にかけての弁護士としての私の主な仕事は、裁判準備のほかは、破産申立とか講演や書籍の原稿執筆、依頼者との打ち合わせ、法律相談がメインとなる。
 友人の弁護士は8月初旬から2週間海外に行くというが、私には夏季休廷のような大掛かりな夏休みをとることはまだまだ先のようである。

 夏休みは、あまり取れそうにない。今年は、2日くらいかな。

投稿者: ヒューマンネットワーク三森法律事務所

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