今年は、新人弁護士として新62期の弁護士を採用した。
ロースクールで教えたことはあっても、実際にロースクール出身弁護士の能力を見たことはなかったので、採用についてはある程度リスクはあるとは思ったが、杞憂に終わった。
彼は、真面目に働き、なかなかいい文章を書いたとおもう。
遠方の裁判所に行くことが少なくなって、事件を検討する時間が増えたのは、イソ弁氏に払う給与が高額であったとしても、それに見合うものであった。
世間ではいろいろとロースクール出身の新人弁護士の能力についてとやかく言われているが、自分自身の1年目の起案を見たって大した起案ではなかっただろう。
人の評価をする前に、まずは自分の能力に真摯に向き合う必要があろう。
弁護士は、特段のキャリアを有しない限りは、1年目からはあまり使い物にならない。
だから、法曹養成は、オンザジョブトレーニング(OJT)しかありえない。
我々がかかわる事件は、生身の人間が引き起こす人間模様が背景にあるので、人間や社会をよく知らないと対応ができないからである。
私がイソ弁氏には、2年目のさらなる飛躍を期待する(ちなみに、私が弁護士2年目の6月に東京高等裁判所で無罪判決をとった事案は、弁護士1年目に受任した国選事件であった)。
2010.12.25更新
弁護士2名体制になったことについての総括
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2010.12.25更新
弁護士の事件処理の姿勢
弁護士の中には、「とかく、争えばよい」と考える方が偶にいる。
確かに、弁護士は法的トラブルを扱うから、「争う」ことは大事である。とくに、刑事事件では被告人のために、裁判所、検察官などと対立することはよくあるし、それは弁護士(弁護人)の責務でさえある(世間の無理解とも闘うことにもなるが)。
しかし、「争わ」なくてもよいところを徒に「争う」のは、はたして弁護士の仕事として正道だろうか。
早期の妥当かつ公正な解決のために、証拠上、明らかに間違ったことは「間違っていた」と認め、結論自体が依頼者の不利益になったとしてもそれが本来到達すべき「結論」であるならば、弁護士もその「結論」をある程度は甘受するように依頼者を説得する必要もあるのではないか。
最近、どう考えても弁護士が紛争を拡大しているというおかしなケースに遭遇したので、なんとなく弁護士の役割を考えてしまった。
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