弁護士ブログ

2005.05.28更新

 私は、今、刑事事件の弁護人を2件務めている。
 いずれも否認事件であるから、書証(供述調書、警察官面前調書、検察官面前調書、報告書)などが膨大にある。
 両方の事件とも、甲号証は200点を越えている。
 片方の弁護人は、事実上、私だけだ(副主任弁護人でボスが付いているが、これは依頼者向けのポーズであり、実際には何もしない)。

 このようなとき、限り有る時間でどのように効率的に書証を読むか。
 実に、難しい。
 検察官が公判期日目に証拠等関係カードを開示してくれればマシなのだが、そのような勤勉な検察官派非常に少ない。
 証拠調べ請求をしている以上、証拠の検討はちゃんと行っているはずなので、どうせ公判廷ではくれるのだから証拠等関係カードを事前にほしいと言っても(公判2日前だ!!),大半の検察官は、
「まだ、作っていない」
と平気で言ってくる。
 困ったものだ。

 だから、自分で証拠等関係カードを作るつもりで、書証を読む際には書証に番号をふり、パソコンでメモを作りながら、関係者の対立構造・人間関係、時系列などに留意しつつ、一気に読む(これが大事。ちんたらやっていては、事実が頭に入らない)。

 要するに、刑事事件を読むコツとは、重要でない証拠(検察官が証拠請求する意図が分からないものがある)は不同意として簡単に切り捨て、重要な供述調書について一気に読む倒して付箋を貼り、メモをつくり、つまりは二度読みする必要がないようにしながら検討する。
 これ以外に、ない。

 最近は、供述調書を全てスキャナーで読み取り、ハードディスクにPDFファイルにして保存して旅先で読む、という方法も取っている。
 
 あー、刑事事件はしんどいな。

投稿者: ヒューマンネットワーク三森法律事務所

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