弁護士ブログ

2005.08.07更新

 ある元歌手が歌手の元配偶者に対して7億円の財産分与を請求しているという報道があった。
 その金額の多寡はともかく、財産分与請求は当然の権利であり、請求そのものに全く問題がない。
 しかし、請求側の本人が請求を否定し、また、請求は弁護士が勝手にやったこととの報道もあった。

 これは、容認できない問題である。
 弁護士は、代理人ゆえに本人の意向を最大限実現するべく法的な対処をするわけだが、これだけ世間的にも注目をされている事件で、弁護士単独で億単位の請求をするはずがない。

 多分(私見に過ぎないけど)、本件は、弁護士が本人に対して「こういう権利があります」がと伝えたところ、本人側が「全て弁護士にお任せします」と応答し、それをそのまま受け取った弁護士が自己が正当と信じる請求を本人に確認せずにおこなったから、このようなボタンの掛け違いのようなことが起こったのではないか、と思う。

 弁護士は、依頼者のために全力を尽くしたいと切に願うあまり、最終確認を怠ったり、請求内容が明らかになった際のリスクを軽視することがあってはならない、ということであろうか。
 
 私も、十分気をつけなければならないと思う次第である。

投稿者: ヒューマンネットワーク三森法律事務所

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