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2006.09.16更新

 最高裁が特別抗告を認めるとは思えなかったので、おそらく死刑は確定すると思っていた。
 特別抗告棄却による死刑確定の結果、事実上の審理が1審のみとなってしまった。
 これは、被害者のために良かったのだろうか。
 よく分からない。
 
 しかし、誤解を恐れずにいえば、未曾有の大事件の結末としては、いささか不細工であろう、と思う。
 被害者の今後の精神的・経済的ストレスを思うと、裁判という手続きの限界はあるにせよ、どうしてあのような事件が引き起こされてしまったのか、被告人質問で全く話をしなかった被告人の口から真相を語らせる努力ができなかったか(多分、弁護団は私の想像を絶する想いで弁護を行い、努力をされたに違いないが)、について、一弁護士として想うことはある。
 
 死刑は確定したが、松本弁護団は再審請求をするという。
 再審請求は刑の執行を停止する効力はないが(刑事訴訟法442条)、死刑判決が確定した元被告人の再審請求が係属している最中には死刑は執行されないだろうから、松本被告人は多分自然死する公算が高い、ということになろう。

投稿者: ヒューマンネットワーク三森法律事務所

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