インターネットが普及したため、結構、面識のない方が私あてにいきなり電話で相談してくることが増えた。
これは、良いことだと思う。司法のアクセスの観点からは。
相手方は、調べて電話をよこすので、私のことを知っているようだ。
しかし、私は、相手を良く知らない。
電話だけだと手元の考えるための資料などがないため、具体的な判断を求められても答えようがない。回答できるのは、あくまで一般論・抽象論に過ぎない。
その程度でもいい、という人もいるだろう。弁護士の見解を聞いてみた、ということで。
しかし、回答するこちらとしては、間違ってはいけないから、慎重にならざるを得ない。間違えると、私の評判も落ちるし、何よりも相談された方に迷惑がかかる。
そこで、私は基本的に資料を携えて来所するように求めるが、相手方はそれは不要と考えているふしがある。私が電話できさくに対応しているように考えているから、そこまでは不要と思っているのかもしれない。
しかし、私は、手元に六法だとか資料などを持ってきて、それを調べて回答しているのである。そのため、時間もとられる。
じゃぁ、無視すればいい、という意見もあるが、それはちょっととりにくい(性格的に)。
そのため、勢い、まじめに答えるわけだが、こういう人は、まず電話相談でも相談料がかかるということを知らないか、無視している。少なくとも、相談終了後、相手方から「相談料を払いたい」と言われた事はない。
知っている弁護士は、資料の送付、相談料の送金がない以上、電話にでない、という。責任がもてないし、プロとして無料ですることにも限界があるかだという。これは、正解である。
我々は、時間を削って法律の専門家として相談に乗るのであり、今日のような休日に出勤しているということは休日返上で裁判所に提出する資料をもくもくと作っているからであるが、その作業さえも中断して電話で回答しているのだから、きちんと相談料は払ってもらいたいのが偽らざる本音なのである。