弁護士の中には、「とかく、争えばよい」と考える方が偶にいる。
確かに、弁護士は法的トラブルを扱うから、「争う」ことは大事である。とくに、刑事事件では被告人のために、裁判所、検察官などと対立することはよくあるし、それは弁護士(弁護人)の責務でさえある(世間の無理解とも闘うことにもなるが)。
しかし、「争わ」なくてもよいところを徒に「争う」のは、はたして弁護士の仕事として正道だろうか。
早期の妥当かつ公正な解決のために、証拠上、明らかに間違ったことは「間違っていた」と認め、結論自体が依頼者の不利益になったとしてもそれが本来到達すべき「結論」であるならば、弁護士もその「結論」をある程度は甘受するように依頼者を説得する必要もあるのではないか。
最近、どう考えても弁護士が紛争を拡大しているというおかしなケースに遭遇したので、なんとなく弁護士の役割を考えてしまった。
2010.12.25更新
弁護士の事件処理の姿勢
投稿者:
2010.11.03更新
耳かき殺人事件の判決は無期刑だったことについて
判決は無期刑だった。
私は、死刑判決が出るかもしれないと思っていたので、無期刑には意外な感想を持った。
無期刑は、だいたい30年程度で仮釈放されるとおもう(終身刑ではないので)。
そのため、無期刑と死刑との差は、きわめて大きくなっている。
終身刑(仮釈放が許されない無期刑)は、憲法が禁止する残虐な刑にあたるとされ、日本では実現していない。しかし、いずれ社会復帰をしてくるとおもうと、遺族はやりきれないと思う。
刑事罰の基本は応報刑であり、かつ、被告人の改善更生とその社会復帰を信じて期待する理念にある。
民間の裁判員と裁判官との間でどのような議論があったかはわからない(裁判体には守秘義務があるから、今後もわからないだろう)。
裁判体が被告人のどのような点に改善への期待や反省を感じたのかは、私は部外者なのでわからないけれども、子どもを持つ親としては遺族寄りに考えてしまう。
もっとも、裁判官のみで構成された裁判体でも永山基準に照らせば無期刑もありえたのだろうが、今回は裁判員と遺族の双方のケアをしないと、死刑求刑案件での裁判員の参加は望めない気がする。
おそらく検察官は控訴するのではないか。
投稿者:
2010.09.30更新
朝日新聞の報道によれば、
証拠の改ざんを行ったとする前田検察官は、もし、フロッピーディスクに保存されていた偽の証明書の作成年月日が「平成16年6月1日」であった場合、村木氏を逮捕出来ない(当然、起訴もできない)と考えていたとするならば、検察官の逮捕は、違法な逮捕であるとして、国家賠償法上の損害賠償義務があるということになると考えられる。
証拠のかいざんなくして逮捕なし → 証拠の改ざんにより逮捕した → 証拠の改ざん行為=違法 → 違法捜査の後の逮捕も違法、となるからである。
朝日新聞の報道によれば、前田検察官の上司の犯人隠避の疑いがいよいよ濃厚になったように思う。
投稿者:
2010.09.29更新
武富士の会社更生法申立て
昨日、武富士が東京地方裁判所に会社更生法を申立てた。
昨日の午前中に武富士を被告とする裁判に関して、武富士の社員が電話を寄こしてきたが、「社内では、会社更生法の申立てが話題になっていない」と言っていたのだが。
とにかく、会社更生法申立てがあったので、少額債権以外では100%の弁済は期待できないだろう。
東京地方裁判所で係属している裁判は、一応、判決をもらい、その後に更生債権届を出すことになると思う。
しかし、私が弁護士になった10年前は、武富士ほどの大手の消費者金融業者が倒産するとは思わなかった。
わずか数年前でも、電話一本で過払い金に利息5%を上乗せした和解に応じていた会社がこれでは、その他の大手の消費者金融(とくに、アイフル)も危ないと思われる。
消費者金融業者への規制は当然としても、低所得者、子育てや介護などで働けない家庭に対するセイフティーネットを政府には作ってもらわないと、闇金が跋扈することにならないか、少し心配である。
投稿者:
2010.09.21更新
検察官の資料改ざん疑惑について
まさに、恐ろしいことである。信じられない、という気持である。
大阪地検特捜部の検察官が証拠を改ざんした疑惑を持たれている。
しかも、改ざんした箇所は、被告人の無罪立証に直結する指示の時期を示すものであった。
疑惑の検察官は、一応、弁解らしき弁解をしているが、ちょっと信用できない。
私は、刑事事件には弁護人として関わっている。今も、刑事事件は2件担当している。
検察官が押収した証拠のうち、供述調書以外の報告書などは、私はその成立についてはあまり疑惑をもたず、客観的証拠と同じように対応してきた。
ところが、検察官によって証拠の中身をかいざんされてしまうと、真実がゆがめられ、冤罪を人為的に起こすことにもなりかねない。また、検察官が証拠を改ざんしたら、そのことを普通は外部から認識できないから、発見して事実を正すことができない(裁判官には、検察官が出す証拠がかいざんされたことを見抜くことはできない)。
最高検察庁がどこまで調査することができるか不明であるが、大阪地検特捜部は、その取り調べの方法も判決で問題視されたことからして、組織体制を全面的に見直して出直す必要があるのではないか。
投稿者:
2010.08.24更新
司法修習生28名が落第
司法修習生が28名落第した、という。司法研修所を卒業できないため、法曹資格がもらえない。
司法研修所の卒業試験は、通称、2回試験といって、決して落ちる試験ではないのだが。。。。
弁護士志望者は、就職がだめになる人もきっといるだろう。
今回の落第の件が、今、日弁連が取り組んでいる司法修習生給与貸与制問題に影響を与えなければいいけど。
投稿者:
2010.08.19更新
弁護士、飲酒運転で逮捕
東京弁護士会所属の弁護士が飲酒運転で逮捕された模様。
知人の検察官付き添いで出頭したというから、ほぼ容疑は間違いないのだろう。
飲酒運転は、故意犯(車を運転しようとした際に酒を飲んでいる認識はある)なので、救えないと思う。
刑事処罰では罰金刑あたりではないかと思うが、弁護士会からいずれ懲戒処分を受けることはほぼ間違いないだろう。
どうして、飲酒運転をしてしまったのだろう。
出来心なのだろうけど、残念です。
投稿者:
2010.07.23更新
内閣総理大臣が会えない人物
日本は、三権分立であり、行政権の最高責任者は内閣総理大臣である。
現在の内閣総理大臣は、菅直人氏である。
内閣総理大臣=最高権力者という表現があるが、一国会議員の小沢氏には会いたくても会えないらしい。
いびつな権力構造は、一国民としては御免なのである。
投稿者:
2010.07.21更新
朝日新聞の18日朝刊の記事
朝日新聞の朝刊の1面に新人弁護士の最近の様子が記事になっていた。
悲惨の一言である。どうも、記事はレアケースではないらしい。
自分が弁護士になった10年前には想像も出来なかった事態になっているようだ。
私も、なんとなく気づいていたが、現実は、もっと先の悪い状態になっているようだ。
私も、今年、新人弁護士を採用したが、彼の待遇は新聞記事とは一線を画する「好待遇」となるのだろう。
(私が弁護士になったときは、当たり前の待遇だけども)。
競争原理だけでは、最近、私が担当し、結局、夫婦を復縁させてしまった(依頼の趣旨は離婚だった)ような手のかかるお金にもならない事件は手掛けられなくなるだろう。
まずは、裁判所法を改正して、司法修習生の給与の貸与は止めて、今までと同じように給与制に戻すべきだ。
投稿者:
2010.07.03更新
ワールドカップサッカー
デンマーク戦あたりから、我が家でもヒートアップ。
午後11時からだから、当然のように、パラグアイ戦は自宅でじっくりと観戦。
前半後半、延長戦ともに勝負がつかず、PK戦になった。
川島GKは、調子がよかったので期待したが、全部のPKを防げなかった。でも、これは仕方がない。
駒野選手がPKを外したのも、仕方がない。本来は、PK戦以前の段階で勝負を付けなければいけないからだ。
しかし、最悪の前評判を覆し、日本チームは本当によく頑張ったと思います。
サッカー選手や監督は、対戦相手からの酷評はともかく、日本のマスコミ、サポーター、ファンからも負けると総攻撃を受ける半面、結果を残すと称賛される、という真逆の対応を受けるリスクというか試練にさらされている。
日本のサッカーの今後を考えるとき、試合に負けると酷評し、勝てば称賛するというような対応は、やめるべきではないかな、と思います。その都度その都度の対応は、選手には励みには側面があったとしても、一つのコンセプトをもとにじっくりとチーム作りをするときには、マイナスになると思うからです。
とにかく、日本チームの選手、スタッフ、監督のみなさん、お疲れさまでした。
ブラジルでの次のW杯は、ベスト16を突破できるように、あせらずに頑張ってください。
あまり期待せずに(本当は、期待をしながら)応援いたします(プレッシャーにならないように)。
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